Creutzfeldt-Jacob病

  • 感染性のある異常プリオン蛋白の中枢神経沈着により生じる。進行性の精神・高次機能障害、運動失調、歩行障害など、広範な中枢神経系の障害を来し、最終的には死に至る。
  1. 原因不明の孤発性CJD、
  2. プリオン蛋白遺伝子の変異による家族性CJD、
  3. ヒトや動物からの感染による感染性CJD、

の3型に大別されるが、孤発性CJDが最も多い。

  • 孤発性CJDは認知症、ミオクローヌス、脳波での周期性同期性放電(PSD:Periodic synchronous discharge)を三徴とし、数か月で無動性無言になる。
  • 病理学的には、著明な神経脱落とグリオーシスを伴う特徴的な海綿状変性が、皮質や基底核を中心に認められる、著明なびまん性脳萎縮を来すが 、海馬は保たれる

CJDの画像所見

  • DWIやT2強調像、FLAIR像で基底核や大脳皮質に高信号が認められる。ADC低下あり。血管支配領域に一致しない。5-25ミクロンの海綿状変化が拡散制限を来すと考えられている。
  • 海馬、中心前回は比較的保たれる傾向にある。
  • DWIではFLAIRやT2WIよりも早期に、病状の増悪に一致して(ミオクローヌスの出現とほぼ一致)出現する。
  • 末期には著明なびまん性脳萎縮が認められ、白質の広範なT2延長病変を伴う。
  • T1WIで淡蒼球や視床に軽度高信号を来す事がある。
  • 進行性。
  • 家族性CJDのMRI所見は、孤発性CJDとほぼ同様である。

DWIによる異常信号パターン

CJDにおけるDWI異常信号の出現部位は、

  • 基底核:被殻、尾状核
  • 皮質:前頭葉、頭頂葉、側頭葉、後頭葉、島部、帯状回、海馬
  • 視床:Pulvinar sign, Hockey stick sign

※出現頻度としては基底核と大脳皮質の高信号が多い。一方、視床、海馬、小脳の高信号はCJDの中でも特徴的なタイプに多い。

症例 70歳代男性 認知症

CJD1

基底核および大脳皮質を中心にDWIで異常な高信号あり。


症例 80歳代男性 亜急性に進行する認知症

CJD

大脳皮質を中心にDWIで広範な異常高信号あり。


症例 80歳代男性

CJD2

大脳皮質を中心にDWIで広範な異常高信号あり。

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